剱聖伝

《なんだよ…これ…母ちゃ

ん…母ちゃん!!》


泣きながら家の扉を無理矢

理開け、家の中に向かって

叫ぶ。


《母ちゃん!!母ちゃん!!》

大声で呼ぶが返事はない。

しかも煙りで視界が悪く状

況は最悪だった。


《ラ…キ…》


ラキはわずかに母の声を聞

いた。


《母ちゃん!!》


声のした方へと近づく。


母が倒れていた…。


《大丈夫かぁ!!今、おれが

助けてやるからなぁ!!》


ラキは必須に母を引っ張っ

た。早くしないと間に合わ

なくなる。火の手はかなり

の所まで回っており、いつ

崩れてもおかしくないない

ほどだ。