《クロォード様ぁ〜!!!》

城の中を猛スピードで


駆けてくる老人がいる。


王家直属の世話係…名を


[ゼトラウス・ブラハム]


クロードが幼少の頃より


世話役をつとめ、王家の


しつけや勉強などを教えて

きたほどの人物で、口うる

さいがとても心の暖かい


人柄から、クロードも信頼

する人物だ。そして


クロードが爺と呼んでいる

人でもあった。


ある病室の扉が勢いよく


開けられると、爺がツカツ

カと入ってきて、クロード

の顔を見るや、いきなりわ

めき立てた。


《ようやく目を覚まされ


ましたかっ!!》唾が飛ぶ。

《あれだけ無茶はせぬ


ようにと口を酸っぱく


して忠告したのに、どう


してあなた様は…あなた


様は…》その後は何も


言えなくなった。