わたしたちの家はもともと、まるで運命に無理やり決められたように路地の奥にきっちりと寄り添って建っていた。

あきひろとおじいさんが住む古くて庭がない小さな日本家屋と、わたしと父と義理の母が買った建て売りの広い庭のある今風の家。

その二つの家を、もっと簡単に言うとあきひろの部屋とわたしの部屋を隔てるものは庭と、竹で出来た小さな垣根だけだった。

わたしとあきひろが戸籍上の結婚をしたのは五年前、ふたりが十八の時だった。