リトルガーデン~愛溢れる場所~

「うん、でも今はあっちにいたほうがいいのかもしれない。」

わたしは答えた。

「晩ごばんの材料を持って行ってもいい?」

「なんでも持っていって。あんたは疲れてないの?それともなにか作ってあげようか?」

母は言った。

「うどんしか食べられないようだからいいわ。」

わたしは答えて、だしや茗荷(みょうが)や生姜を冷蔵庫からかき集めた。

ほんの少しあの家から出ただけで、わたしは解凍されたようなくつろぎを感じた。

あきひろの悲しみはたとえ本人にそのつもりがなくてもわたしのハートを凍らせるような重さと冷たさを持っていた。

外は一番星が出ていて、まだ春先なのに生暖かかった。

わたしは庭を抜けて、またその寒い世界に戻って行った。