その台所には何回も立ったことがあるけれど、
これほど淋しい窓からあの家を眺めてきた心に気づいたことはなかった。
わたしが、あんな温かそうな所に住んでいるなんて、と不思議に思った。
冷蔵庫には生姜どころかなにひとつ入っていなかった。
ビールとトマトだけだった。
棚の中に乾麺だけはたくさん入っていたので、わたしはあきひろの大きな靴をつっかけて実家に戻った。
自分の住み慣れた家に入った時、違う世界から来たみたいに照明がまぶしく見えた。
そのせいで全てが変に明るかった。
母が台所に座っていて、わたしを見て言った。
「ひよりちゃん、あなた、死人みたいな顔色してるわよ。あの家にふたりでいるのよくないんじゃない?ふたりとも気分が沈みすぎない?」
これほど淋しい窓からあの家を眺めてきた心に気づいたことはなかった。
わたしが、あんな温かそうな所に住んでいるなんて、と不思議に思った。
冷蔵庫には生姜どころかなにひとつ入っていなかった。
ビールとトマトだけだった。
棚の中に乾麺だけはたくさん入っていたので、わたしはあきひろの大きな靴をつっかけて実家に戻った。
自分の住み慣れた家に入った時、違う世界から来たみたいに照明がまぶしく見えた。
そのせいで全てが変に明るかった。
母が台所に座っていて、わたしを見て言った。
「ひよりちゃん、あなた、死人みたいな顔色してるわよ。あの家にふたりでいるのよくないんじゃない?ふたりとも気分が沈みすぎない?」



