【水島 陽】



ゴクリっと息を呑んだ。


ドキドキとうるさく鳴る心臓が変な汗をかかせて、気持ち悪くさせる。




「俺、、陽が好き」



颯汰くんの柔らかい声と息が顔にかかる。
寒い冬に火照る頬。


12月25日の夜、祖母の店の前。



”好き”と言った彼。何かを言う前に、私に優しくキスをした。




「颯汰くん、、」


「陽。俺は、違うよ」


「え」


「俺は、他のやつと違う。本気で陽が好き」


「嘘」


「嘘じゃない」



また、逃げようとした私の顔を両手で挟み引き寄せた。



「ちゃんと見て」

「颯汰くん、離して」

「ちゃんと、俺の事見てよ。信じてよ」




いつもは私が泣くのに。

今は、颯汰くんの頬に流れてた。




そっとその涙を指で触れた。颯汰くんの頬も熱かった。




「ねぇ、颯汰くん」