怠そうに帰る道。



途中で両手に買い物袋を持った人の荷物を後ろからとる。




「ちょ。なんだい。颯汰くんじゃないか」

「おばさん。買い物は俺に任せてって」

「陽は、買い物までしてくれなかったよ」

「そりゃ、女の子ですし」

「あんたは、陽に甘すぎる」

「えへへ。気をつけます」




陽のお祖母さん。陽とお母さんがいない間のお手伝いを自分で頼んだ。

あの日の帰り、陽を背負って和に聞いた店に行った。その時に陽のお母さんから全部聞いた。


それから、やり直すためのお手伝いをする。





ただ、不在期間、陽の代わりに仕事を手伝うだけ。




でも、



「颯汰くん、これ運んでちょうだい」

「はい!」



嬉しい。陽のために何かできるのは、俺にとって幸せだ。