寒い廊下をぐるぐる巻きにしたマフラーに顔を埋めて歩く。




「ツッキー」

「おお」



同じクラスの泉 陸 (いずみ りく)が女の子何人かを連れて手を振る。




「ツッキーさ、クリスマス暇?」

「なんで」

「いやぁ、たまには俺と遊んでよ」

「あー。お前彼女いねーもんな」

「ツッキーいんの?」



陸の問いに周りの女の子が少し不安そうにする。
何がそうなるのか、




「好きなやつなら。まだ彼女じゃねーけど」

「あー。体育祭の子?」

「あ?、、あー。そう」



1人の女の子が突然走ってどこかに消えた。
それを見て陸が呆れたように肩に手を回す。



「ツッキー、罪な男だねぇ」

「重い」

「で。その子とクリスマス過ごすの?」

「いや。予定は、、ない」

「んじゃあさ。俺ん家でパーティやんね?」

「パーティ?」

「そ。智達も呼んでよ。な?いいっしょ?」

「考えとく」

「よしっ。決まり」




軽く2回陸の胸を手の甲で叩いて払う。