「なん、で」 「分からない。本当を言うと、陽ちゃんには感情的に動いちゃうんだ」 「こんな、こと」 「逃げないのは、リハビリに付き合ってくれるからでしょ?」 そう、とも違うとも言えなかった。 息がしずらいほど心臓が激しく跳ね上がる。 ドキドキという擬音語は全く似合わない。 グサッグサッと、鋭く鈍い音がした。 「リハビリ、だから」 そう言ってまた唇を触れさせる和くんは、 何とも言えなかった。