坪内さんが眉間にシワを寄せる。

「熱のせいか?」
「何がですか?」

尋ねる私に、坪内さんは手を口元にあて考えるようにしてから、

「俺のこと惚れ直しただろ?」

と言った。
とたんに、頬に熱を帯びる。

「はっ?何言ってるんですか!」

私の言葉に、「おいおい、無意識かよ」と、坪内さんはお腹をかかえて笑いだした。

どういうこと?
私、何か言ったっけ?

意味がわからなくてムスっとする私に、「元気になってよかったな」と、また王子様スマイルが降ってきた。

「…ありがとうございます。」

私は一応お礼を言った。