「では夜の営みはどうですか?」


「!?」


「貴女は満足していない。
僕なら貴女を満足させてあげられます。自分で言うのも何ですが、こう見えて上手いんですよ。」



そう言うと木下さんは私を向き直らせ壁に押し付けた。



「いっ…」


逃げられないよう体で押さえつけ、私の両手を片手で頭の上に拘束し、もう片方の手で顎を上向かせる。

抗議しようとする間もなく、口を吸われ身体中に震えが走った。



「んーーー!」



どうにか逃げようと暴れるがびくともしない。


口の中に舌を入れてきたら噛みついてやろうと思うが、舌まで入れてくる気配はない。


押し付けられている体と体の間に撫でられるような違和感を覚え、それが何かを悟った時この男がキスで終わらせる気がないことを知った。


嫌だ!と叫んでも、塞がれた口では言葉にならない。


上着の裾から忍び込んできた手が胸へとかかる。


「んーー!」


目に涙が滲む。


怖い…


唇が離れた瞬間を狙って大声で叫んでやろうともしたが、離れて直ぐに胸を触っていた手で口を塞がれた。


「大声を出さない下さい。貴女のためですよ。」


「………」