そんな倶楽部に、私が入ったのは何故なのだろうか。
未だにちょっとした疑問である。
数少ない友人のユリにそう言うと、
「自分のことなのに、他人事だねえ。」
なんて笑われるが、実際よくわからないのだからどうしようもない。
何となく気に入った、というのはある。
小説は、間違えるものだ。
読む人によって、正解はないけど
間違いはある。
言葉はひとりで勝手に踊る。
気分によってころころ変わる。
そんな不確かなものをいくら紙に貼り付けたところで、
どうしようもないことくらいわかっている。
それでも人は小説を書き、
そして読む。
己の思いを伝え合い、
伝わらないと悲しくなる。
それでも強く、自分の思いを真っ直ぐに
突きつけてくる人がいる。
というか、皆が皆、そうである。
誰もが何か、
不完全なその心に確かなものを抱いていて、
それを必死に守っていたりする。
それが小さいか、大きいかはあまり関係はない。
大切なのは、それを如何に守るか、だ。
強固な壁でがしりと囲んで、
厳重な錠で蓋をしたっていいけれど。
それでは何も、他の人にはわからない。
逆に、たくさんの武器で飾り立てて、
脅してみたり突撃したりしても、
他の人にはそれは恐怖でしかない。
だから、私は小説倶楽部を選んだ。
決して間違えない何かを、
私は探していたのだと思う。
