会社のみんなは、昨日私に何かあったことは、すぐに気付いた感じがしたが、普段と変わらない態度で一日が過ぎた。



みんな私に優しい言葉をかけて、泣かれたり、長い愚痴に付き合わされるのはめんどくさいので、みてみぬ振りをするのが自分達にとって一番平和に過ごせることをわかっているのだ。



今の私にとってもほっといてくれるのはありがたかった。
　


それなのに仕事が終わって、今日は真っ直ぐに帰ろうと思って帰り支度をしていた私に、


「ご飯食べて帰らない。」


と同期の男が声をかけてきた。
　


私は思わず


『何を言ってるの？みんなほっといているんだから、あんたもほっといてよ。』


と口に出しそうになるのを我慢しながら、


「今日は真っ直ぐに帰りたい気分なんだ。」


と答えた。
　


「わかった。今日は諦めるけど、明日のクリスマスは一緒にご飯を食べて。」


と言うと彼は、私の返事なんか聞かずに、


「じゃぁ、また明日。」


と帰っていった。
　


私は、その場に立ち尽くしながら、クリスマスを誰かと正直過ごしたいけど、振られたばかりの私には異性と過ごす気にはなれなかったので、明日断ることを決め、真っ直ぐに家に帰った。



家に帰って一人になると、昨日のことを思い出して涙した。