私はあまりに突然で想像もしていなかった出来事が起こり、ただただ、『クリスマスは?結婚は?』そんなことが頭の中を巡りながら、放心状態のままその場に立ち尽くした。


 
 それから、どうやって家に帰ったか、記憶にはなかったが、気が付いたら家にいて、いつの間にか涙を流していた。



 そんな鏡に映った自分の姿を見たとき、あまりにひどい顔で、情けなくて、もう私の人生なんてどうでもいいやと、全てを投げ出そうと感じたら、一段と涙が溢れ出してきた。
 



 どんなに辛くても、悲しくても、死にたくても、時間はたち、朝はやってくる。
 



 私は、仕事に行く気分になれなかったし、仕事も辞めたかった。



 でも、冷静な自分もいて、今、仕事に行かなければ、辞めてしまえば、生活が出来なくなる。



 死ぬ勇気もない。



 ならば、どんなに辛くても、今日仕事に行かなければならないと思った。
 



 鏡に映る自分は、相変わらずひどい顔をしているが、それでも顔を洗って、泣いて腫れている目も、どうにか化粧でごまかし、生活のために、会社に出社した。