別れも突然だった。
 


 運命の12月23日。
 


 いつものように仕事終わりにごはんを食べる約束をしていた。



 そしていつものようご飯を食べ、いつものように飲んでいた。



 全ていつも通りだった。違うのは二人の気持ちだけだった。
 



 私は、『今日は、クリスマスの予定を決めるんだろうな。』と思い。
 



 彼は、『今日で、終わりにしよう。』と思っていたのだ。
 



 お酒もまわってほろ酔い気分で、駅に向かう途中で、急に私は彼に抱きしめられた。



 そして彼は一言、
 

    「別れよう。」


         と言ってきたのだ。
 


    「どうして、急に?理由を教えて?」


         と、私は彼の言っている言葉を必死に理解しようと、彼に問い返したが、彼は、
 

    「ごめん。何も聞かないでくれ。」


         と、力強く私を抱きしめなおし、その場からゆっくりと歩いて何処かに行ってしまった。