その時、オレの携帯が着信を告げる。

相手は………………海晴ちゃん。

「洋ちゃん~!!ヤッホー。」

こちらも、彩ちゃんに負けず劣らず………ハイテンション。

少し、耳を離して通話が必要だ。

「彩、行った??
ちょっと、いじめたらいじけちゃったから……
洋ちゃんに助けを求めたかなぁ~って思って!
行ったならいいわぁ~!!
安心、安心。
……ということで~。私は二次会を楽しみま~す!!
彩のこと…………よろしくねぇ」

「了解!
海晴ちゃんも飲みすぎて、変なヤツに騙されるなよ!
彩ちゃんの事…………サンキュウ。」

ケラケラ笑いながら電話を切った海晴ちゃん。

彩ちゃんを思っての…………今夜だったんだろうなぁ~。

何があったかは…………二人にしか分からないけど………

海晴ちゃんの……彩ちゃんを思う気持ちは………

この………いつになく素直な彩ちゃんを見てたら………想像がつく。

「洋ちゃ~ん………」

机に突っ伏してグズグズ言う………彩ちゃんの頭を撫でながら……

「良い友達をもったねぇ~」と呟くと

「うん。」と、小さく首を振った。

「落ち着いたら………送って行くよ。」

明日も仕事の彼女を心配、声をかけると………

「帰りたくない…………。一人は嫌だ!!」と駄々をこね始めた。

「う~ん。オレも一応………男だからねぇ~
一緒にいるのは、マズイんだよ。」とやんわり断っても

「違う!男じゃない!!洋ちゃんは洋ちゃん!!!」って……

訳の分からないことを言い始める。

……………………この酔っぱらいめ!

動こうとしない彩ちゃんを、強制的におんぶして

店のシャッターを再び閉めた。