「再来週も毎日来てくれるって……ほんと?」

「はい!!」

窓にスプレーで、トナカイとサンタを描きながら返事をする。

昨日は、家で作ってきたというリースを持って来てくれた。

商店街から流れるクリスマスソングに、リズムを取りながら

鼻歌を歌い、笑顔で作業する彼女は………本当に幸せそうだ。

それだけに………再来週の予定が気になる。

「ムリはしなくていいからね。デートを優先して休んでいいよ。
彩ちゃんには本当に助かってるから……
出来たら、ギリギリまで働いて欲しいんだ。」

顔はもちろん、スタイルも性格も申し分ない彼女が

フリーとは考えられない。

せっかくのクリスマスがバイトじゃあ……可哀想だから

デートが行きやすいように、促してあげないと。

「残念ながら、彼氏はいません!
これから夢が叶うのに………恋なんてできないですよ!」

そう笑う清々しい表情からは、ウソを言ってるようには思えない。

…………そっかぁ~………彼氏………いないんだぁ。

別に、自分が立候補しようなんて思わないけど……

やっぱり男だしね。

可愛い娘に彼氏がいないって分かると……何となく、嬉しいよね。