ピンポン、ピンポンピンポン…………。

玄関のベルを鳴らして………「あ~や。……………彩ちゃん!」

何度呼んでも出てこない。

電話のコールも、虚しく鳴るだけ。

やっぱり唯ちゃんが言ったことは、本当だった。

唯ちゃんが帰ってから、直ぐに行ってみたが………留守だった。

どうやらまだ園にいるみたいだ。

悠に連絡をするが、今日は遠足の準備に出掛けているらしい。

悠が園に連絡してくれることになった。

オレは、車で園に迎えに行く。

「洋ちゃん!!」

出てきたのは、一番元気な梓ちゃん。

前に悠が、問題児だと言った一人。

「彩ちゃんは??」

「それが、今日はお休みした子のお家に荷物を届けに行っちゃったんです。」

それはまた………。

彩ちゃん、君は頑張りすぎでしょう。

「家はどの辺り?」

「個人情報だから………」

梓ちゃんの言葉にハッとした。

そりゃそうだ。

教えられる訳……ないよなぁ~。

「だったら、連絡が入ったら教えて。
『その場にいて、迎えに行く』って伝言を伝えて……………。」

「うん、分かった。みんなにも言っとくね。」と梓ちゃんは教室に戻った。

まだ、みんな………帰れないんだな。

だから……彩ちゃんも頑張ったのか。

その時、唯ちゃんの姿が。

彼女も帰ってなかったんだ………伝えに来ただけで。

彩ちゃん、良い仲間に出会えたね。

オレは、駅前の方に車を流してみることにした。