「いらっしゃい。」

オバサンはいつもの立ち話で留守のため……オレが店番。

初めてのおつかいでもここまでオドオドしないでしょう?って思うほど

ビクビクの唯先生。

彩ちゃんの話しだと、男の人が苦手らしいから

あまり関わらないで、遠くから見守る。

タイプじゃないけど………確かに可愛い。

色白でぱっちりおめめ。

化粧は……してないけど……彩ちゃんもしないから

先生って………あまりしないのかな??

身長は、150ないな。

もしかしたら、145くらい??

とにかく小さすぎて、オレにはよく分からない。

体は痩せてて、胸はペッタンコ。

足の形は良いから、ミニスカートは可愛いかもって………。

今の発言は…………オジサンだな。

チラチラ見てたら、目が合った。

うん??オレを見てた??

チラチラ見てたことへの、後ろめたさを感じていたら………

「あの…………あっ……えっと。
彩ちゃんの……………彼氏さん………ですか??」って。

はぁ??

びっくりして固まってたら。

トコトコ、オレに近づいて………

「今日………彩ちゃんと遠足の下見に行ったんですけど………。
彩ちゃん………っていうより………みんなが私の心配をして。
私が………頼りないから……仕方ないんですけど……。
あっ、私のことは関係ないですね。すみません。」って……。

全く意味の分からない話しを、一生懸命している。

「あっ……それで、みんなが私の心配ばかりで……
多分、気づいてないみたいなんですけど…………。
彩ちゃん、熱があると思います。
彩ちゃん自身……気づいてないみたいだけど、熱が………。」

確かに可愛い。

自分が頼りないこともちゃんと分かってて

でも、本当はしっかりしてる。

守ってあげたいって……思うのが、初めて分かった。

「彼氏じゃないけど、ありがとう。
一応、彩ちゃんのお兄ちゃんだから……様子を見に行ってみるね。」

「彩ちゃんは、みんなにしっかりしてるって言われるから……
私みたいに頼ることができないと思うので。
明後日の遠足…………本当に頑張ってて………。
早く治ってもらえたら嬉しいです。」

「うん、分かった。
唯ちゃんが心配してたって……ちゃんと言っとくね。」

「あっ…それはダメです。
彩ちゃん、一生懸命隠すのに……気づかれるのは、嫌なはずです。
内緒にして下さい。
お忙しいのにすみませんでした。
よろしくお願いします。」

ペコリと頭を下げて、帰って行った。