「洋ちゃん、ただいま!!お腹すいたぁ~」

「洋介さん、今日は何パン?」

「洋ちゃん、聞いて~。」

ゴールデンウィークも終り、後少しで梅雨入りかぁ?という今。

うちの店は『たんぽぽ第二幼稚園』になった。

あれ程友達が出来るか心配していた彩ちゃんだけど……

持ち前の明るさと、しっかりしたお姉ちゃん気質のお陰で

スッカリ新人5人をまとめているみたいだ。

一人暮らしの彩ちゃんの家は、四人の溜まり場となり………

帰る前におやつを調達する、家のパン屋は………

ウルサイ先生達に占拠されて、幼稚園と化す。

「あぁ~。パンをやるから、早く彩ちゃんの家に行け~」

オレの一言を待ってた先生達は

「ヤッタァ!」

「洋ちゃん、大好き。」

「明日はチョコね!」とハイエナのようにパンを奪うと

さっさと出ていく。

店に残ったのは、唯先生と彩ちゃん。

「唯ちゃんは、どれにする?」

子供に言うように聞いている。

「う~ん。大きいと食べきれないから……。」

「じゃあ、半分にして食べよう。コッペパンで良い?」

頷く唯ちゃんに、パンを渡して

「洋介さん、いつもごめんね。
週末は、一緒にご飯食べようね。」と……

唯ちゃんの次は、オレに気を使う。

「だったら、悠を誘って3人で食べに行く??」

オレの言葉に笑いながら

「森先生は、止めとく。一応上司だから。」って。

勤め始めて直ぐに、悠のことを『森先生』と呼ぶようになった。

上司だからと言えば、そうだけど……

なんだか違和感を感じる。

それに………悠の話題や来る時間を………避けてる気がする。

女の子は……難しい。