私はもう自分のことで、誰かが悪く言われたりするのは心底嫌なんだ。

子供の頃は何も言い返せずに堪えたけど、流石に今は……



「笑わないで下さいっ！」


思わずお腹の底から声を出した。
自分でも意外過ぎたけど、他の人達も同様みたいで。


キョトンとした顔を眺めて一瞬だけ狼狽える。
だけど、直ぐに頭の中で理香子と円香のことが思い浮かんだ。


私は彼女達にまだ何の恩返しもしてない。

辛い時に一緒にいてくれて、助けてくれたことに甘えてばかりで、彼女達が辛い時に、自分は何も手助けが出来なかった。

坂巻さんとのことも応援してくれてるのに、臆病者の私はその気持ちにも尻ごんでばかりいる。

彼の思いも嬉しいくせに答えられてない。

過去のトラウマに囚われてばかりで、臆病風ばかりに吹かれてる。


私はいつまでこの過去に囚われ続けるつもりなんだ。

今この恐怖に打ち勝たないで、ずっとオドオドしていくつもり？

それで自分は満足なの？

いつまでも引っ込み思案で臆病なままでいたら、私の大事な人達も皆、同じように馬鹿にされてしまうかもしれないのに＿＿。