声をかけようとした女子を、坂巻さんと同期の彼女が止める。
「もう仕事始まるんだから後にすれば?」
無駄口を叩いてる場合じゃないでしょう…と、こっちを睨んで席に着く。
そのまま資料を片手に坂巻さんに話しかけ、私はホッとするやら複雑な心境に陥るやらで。
……でも、取り敢えずは仕事を始める前から質問はされずに済んだらしい。
少しは安心もしたけど、後から何を言われるんだろうかと思うと、まるで気が休まらない。
(……私に何の話があるんだろう……)
仕事をしないといけないのに、そんなことばかりが気になってくる。
ビクビクしないと決めたことも吹っ飛び、休憩時間になるのが怖いとすら思った。
やっぱりそう簡単にはトラウマには勝てないのかな。
せめて、坂巻さんが皆の憧れでなく、人気者でなければ、多少は不安を感じずにいられるだろうけど。
(でも、もしもそうなら、私は彼に憧れすらも抱かなかったかもしれない…)
そう思うと、結局あの人に憧れを抱いた自分が一番悪いような気分がしてきて、罪悪感のように(馬鹿なことをした…)と考えた。
「もう仕事始まるんだから後にすれば?」
無駄口を叩いてる場合じゃないでしょう…と、こっちを睨んで席に着く。
そのまま資料を片手に坂巻さんに話しかけ、私はホッとするやら複雑な心境に陥るやらで。
……でも、取り敢えずは仕事を始める前から質問はされずに済んだらしい。
少しは安心もしたけど、後から何を言われるんだろうかと思うと、まるで気が休まらない。
(……私に何の話があるんだろう……)
仕事をしないといけないのに、そんなことばかりが気になってくる。
ビクビクしないと決めたことも吹っ飛び、休憩時間になるのが怖いとすら思った。
やっぱりそう簡単にはトラウマには勝てないのかな。
せめて、坂巻さんが皆の憧れでなく、人気者でなければ、多少は不安を感じずにいられるだろうけど。
(でも、もしもそうなら、私は彼に憧れすらも抱かなかったかもしれない…)
そう思うと、結局あの人に憧れを抱いた自分が一番悪いような気分がしてきて、罪悪感のように(馬鹿なことをした…)と考えた。

