ハンカチを出すのも忘れて一生懸命になってくれて、いつも冷静で落ち着いてる姿からは、今みたいな慌てぶりも想像できない。



(好き!)


そう口にしないまま彼の胸の中に飛び込んだ。


「えっ?何?どうした?」


慌てだす彼が可笑しい。

だけど私は笑わずに、彼の温もりに癒されながら、自分も少しずつでもいいから、トラウマに打ち勝っていかなきゃ…と改めて誓ったんだ………。