俺は意を決して、両手で彼女の肩を抱いた。
ビクッと背中を伸ばす彼女が振り返って、俺はその視線に微笑みかけて前を向き直した。
女性達の目が見開かれている。
俺は今夜を境に、これまでの自分とは決別するんだ__。
「俺が諸住さんを花火大会に誘ったんだ。だから、悪いけど邪魔しないでくれよ」
毎日毎日ウンザリだった。
出社と同時に話しかけられ、部署へ行けば行ったで煩くて。
お陰で飲み会でも酔えなくて、きついコロンの香りに咽せそうで、お喋りで耳も痛くて堪らなくてさ。
「君達がいると諸住さんが遠慮するだろ。俺の大事な人を困らせるのはやめてくれよ」
そう言い切ってしまうと、流石に呆然とされてしまう。
「……行こ」
最初に同じ営業グループの同期が声をかける。
彼女は俺をちらっと見てから目線を諸住さんに移し、プイッと外すと踵を返して歩き出した。
他の女子もそれに連れられるように逃げて行く。
その歩き去る背中を見つめながら息を吐き、ふと気づくと彼女の体がガタガタと震えていた。
ビクッと背中を伸ばす彼女が振り返って、俺はその視線に微笑みかけて前を向き直した。
女性達の目が見開かれている。
俺は今夜を境に、これまでの自分とは決別するんだ__。
「俺が諸住さんを花火大会に誘ったんだ。だから、悪いけど邪魔しないでくれよ」
毎日毎日ウンザリだった。
出社と同時に話しかけられ、部署へ行けば行ったで煩くて。
お陰で飲み会でも酔えなくて、きついコロンの香りに咽せそうで、お喋りで耳も痛くて堪らなくてさ。
「君達がいると諸住さんが遠慮するだろ。俺の大事な人を困らせるのはやめてくれよ」
そう言い切ってしまうと、流石に呆然とされてしまう。
「……行こ」
最初に同じ営業グループの同期が声をかける。
彼女は俺をちらっと見てから目線を諸住さんに移し、プイッと外すと踵を返して歩き出した。
他の女子もそれに連れられるように逃げて行く。
その歩き去る背中を見つめながら息を吐き、ふと気づくと彼女の体がガタガタと震えていた。

