あいつのことを好きだと思ってる女子は大勢いる。
皆、あいつと仲良くなりたいと思ってるし、話したいと思ってる子もきっと多くいる。

だけど、何処かアイドルみたいなところがあいつにはあって、隣に特定の女子が立つことを嫌ってる。


そういう人が現れたら排除しようと掛かる。

私はそんな立場側の人間に、追いやられようとしてる……。



(だからって、こんな手紙はひど過ぎる……)


文句があるなら正々堂々、顔を見て言えばいいのに。
怖くてもその方が気が楽なのに。


(ひどい。ひど過ぎるよ…)


手をぎゅっと握り締めながら泣き暮れた。
翌朝から学校へ行くのが怖くて、どんな顔で登校すればいいのか分からず迷った。



朝が来て、これまで通りのように友人達が迎えに来てくれて一緒に登校した。

内心はビクビクとしていたけど、表面的には噂もされずにホッとしていた。



……でも、それは最初だけだった。

あいつが教室に来ると女子達がザワついて、同じ部活の子達が周りを取り囲み、彼を私に接近させないようにした。