だけど、私の味方をするから、今度は彼女達までが皆に意地悪されたり、無視されるようになってしまって……。

それが本当に一番辛かった。私に関わったばかりにそんな目に遭って、私なんて切り捨ててくれてもいいのに去ろうともしないで……」


理香子と円香には感謝してもしきれない。
彼女達がいたからこそ、私は不登校にもならずに学校へ通えたんだ。


「彼女達は私の前では辛い顔を一切見せなかったんです。それどころか、私から離れないと宣言までしてくれた。


私、本当に嬉しかった。…でも、逆に懲りたんです。
誰かに嫌われたりすることも、自分の所為で他の誰かが傷つくのも見たくないと思った」


「……それで、職場でも皆の仕事を引き受けてたんだ」


坂巻さんの声に頷いた。


「皆に嫌われるのが怖いというのもありましたけど、自分が代わることで皆が助かるならいいかな…と思ってました。

頑張ればいつかは報われると信じてたし、報われなくても別にいいかと諦めていて」


そう、全部を諦めてたんだ。
それで坂巻さんのことも、見て憧れるだけでいいと思っていた。