二つ折りにされた便箋を開いて、私の心臓は凍り付いた。いきなりこんな風に書かれてあったからだ。


『ボロすみ アンコさま☆…違った、もろずみ あんず だったね〜、ゴメンゴメン』


謝ってる割りに笑わられてる様な気分がした。
そして、中傷めいた言葉が並んでいた。


『あんた毎日顔見てんの?
そのブス面でモテてるとでも思ってんの!?

アンコみたいに黒い顔なのに、うぬぼれんのもいい加減にしろよ。
真っ黒い炭を顔中を塗りたくって、更に黒くしてやろうか!』


他にもバカとかマヌケとか、悪口がいっぱい書かれてあった。

私はショックを覚えながらも文面を全部読んで、読み終えると同時にゾォッとする様な寒気と恐怖に襲われて、グシャリと手紙を握り潰して捨てた。



(こんなこと誰が……)


考えなくても直ぐに察しはついた。

うぬぼれんなって言葉一つで、犯人は片思いの相手と同じバレー部の女子か、クラスメートの誰かだろうと思った。


私があいつに告ったことは既にいろんな人の耳に入ってるんだ。
だから、こんな手紙が舞い込んできた。