あの時、理香子も円香も泣いていた。
三人で肩を寄せ合って泣いて、その時、私達は自分達が本当に親友だな…と感じた。


それを思い出すと怒りが消えていった。
原田を見ても憎らしくなくて、心から少し微笑んだ。


「だからもう、あの頃のことを気にするのはやめようよ。それでも私はまだ苦手だと思う部分が大いにあるけど、それもそろそろ克服していこうと思う」


出来るかどうかは謎だけど、そうしないと折角この花火大会に誘ってくれた人に申し訳ない__。


「今夜は謝ってくれてありがとう。原田と此処で会えたこと、何より一番嬉しいよ」


子供の頃は結構プライドの高かった彼だ。

皆の人気者でチヤホヤされてばかりいた人が、過去のこととは言え、振り返って謝るのには勇気がいっただろうと思う。



「良かった…」


原田はそう言って笑った。


「やっぱりあいつの言うことを聞いてて正解だった」


「あいつ?」


誰のこと?と訊き返そうとした。
すると、私の背後から足音が聞こえて。



「あっ、いた!勇くん、こんなとこで何してんの!?」