『一学期の間、席が近くて、たくさん話せて楽しかった』…とヒントの様な言葉を書いてしまったから。


一学期は席替えもなく終わっている。
だから、仲良く話してたのは自分だけだ、ときっと皆にもバレてしまってる。


(ああ、もうダメだ。生きていけない…)


恥ずかしくて死ぬと落ち込んだ。
泣きながら謝る後輩の子を必死で慰め、重い足を引きずりながら家へ帰った___。



それからは生きた心地がしなかった。
部活に行くのも怖くて、二学期が始まるまで休もうと決めた。


そして、最終日がきて……____




『諸住 杏さま』


キャラクターの封筒に名前の書かれた手紙がポストに投函されてた。宛名は一見フツーで、ドキンと胸が弾んだ。


(えっ…ひょっとして……あいつ!?)


愚かにも一瞬期待をしてしまった。
だけど、文字が丸っぽいから直ぐに違う人からだと気づいた。


「何だろ、残暑見舞いかな?」


送り主の名前は書いてない。
誰が送ってきたのか、中身を見れば分かるのかな?と思いつつ封を切った。