もしもあの時、原田が自分の気持ちを告って、私を庇ってくれてたらどうなっただろう。

私はラブレターを読まれた時点で、彼のことを憎らしいとしか思えなくて、告白されても逆に「何?」と冷たくあしらってたかもしれない。


クラスの女子達も気に入らないとツンツンして、自分一人で殻に閉じ籠ってたかも。

周りも全部敵みたいな気持ちになって、暗い青春を送り続けたかもしれない___。



……そう思うと、今よりも惨めな人生になってるような気がした。

中学時代の私達は、誰もが思春期特有のものを持っていて、自分以外のことなど考えれる余裕がなかった。


だから、突拍子もないことが出来た。

私はラブレターなんてものを書いたし、原田もそれを皆の前で読んだ。

同級生の女子達は、自分達のアイドルだった原田が狙われてると思って焦った。

だから、あんな中傷めいた手紙を私に送り付けてきた。


皆、自分のこと以外は考えれなかった。

それくらい、本当に子供だった___。



(だから今更、あんな前にあったことでイライラしたって……)


そう思い直して原田を見遣った。