幻惑な夜

ふと、我にかえって鏡をみると、必死になって髪をとかし続けている俺がいる。

俺は髪をとかすのをやめ、手に持っていたブラシを見た。

ブラシにはワサワサと俺の髪の毛がこびりついている。

…よそう、ハゲる。

想像の世界で何かを考えていても、可能性は無限大にある。

考えれば考えるだけ神経が磨耗する。
いや、磨耗するのは毛根か?

カランっと言う乾いた音が響く。

俺がブラシを洗面台に置いた時、何か小さい物に当たって、それが浴槽の中に落ちたためだ。

俺は屈み込んで浴槽の中に手を伸ばす。

落ちていたのは、何でもないパチンコ玉だった。

パチンコ玉?

何で洗面台にパチンコ玉なんかが置いてあるのか謎だ。

しかし、すぐにもっと謎な物を俺は見つける事になる。