次の日からは、いつもの車両から遠く離れた
車両に乗った。

電車の時間をずらさなかったのは…
慣れた生活時間だったから。


そう自分に言い聞かせながらも…

名残惜しげに、いつもの車両に目を向ける
自分が情けない。

アオトの姿が見えるはずもないのにさ。
何やってんだか…。


沈んだ気持ちのまま、その日は過ごし。



毎朝、その遠い車両に乗るのも慣れてきた頃。

いつもの車両に乗り込んだあたしの
目に入ったのは、


アオト!?
なんで?


驚くあたしの質問はスルーして、
こっちこっちと、手招きする。

混んでる中、立ち止まってるわけにいかずに
隣に立つと、

しばらくぶりのニコニコ星人が、
ミチカ、やっと捕まえたわー。と、言う。

明らかに、動揺してるあたしを
見て見ないふりして、

あれから、全然姿現さないから
もう、気になっちゃってさ。
ひどくない?俺まだ話したかったのに。
と、口を尖らせている。


は…?

もう、何を言ったらいいかわからなくて、
ただ顔を見つめると。

ミチカ、携帯だして!早く!と、急かす。
連絡先教えて。今日帰りご飯でもどお?


え!?あ、ああ…。

一人でパニックになったまま握りしめていた
あたしの携帯を、サクッと取り上げ、
はい。おっけ。

と、ニコニコ星人があたしに携帯を返す。

とりあえず、後で連絡するよ。
ほらほら、もう着くよ!携帯しまって?
落としちゃうよ。