やっぱり、ミチカだよね。
俺、ずっと思ってたんだよね。
似てるなぁって。


ニコニコが消えないまま、嬉しそうに
話す顔を、つい凝視してしまう。


今なんて?
あたしのこと、気づいてたってこと??


おそらく眉間にシワの何本もよってるだろう
あたしの顔を見て、

どうしたの?と、不思議そうに目を丸く
している。


ちょっとビックリして。
気づいてたんだ…。
そもそも覚えてないと思ってたし。


あたしの返事を聞いて、またニコニコ笑う。

どうしてさ?
覚えてるに決まってるじゃん。


一瞬、胸がはずむけど…。まって、まって。
落ち着け、あたし!


もう、何年経ってると思ってるの?
まあ、アオトは変わってないけど。

そう言って、改めて見つめると、

ほんとに…

相変わらず…

顔だけは素晴らしく、いい…。


あたしの視線に、ちょっと照れるように
俺だって変わったよ、そりゃあ。
と、笑い。

あの頃とは、随分とね。
そう言った時の表情が、少し影を感じた
気がして、思わず

どういうこと?と、聞くと。

電車がホームに到着しますと、
アナウンスが入り、ザワザワとした音が
あたしたちの会話をかき消した。