暑い…。
満員の通勤電車で、新しい店舗に通うように
なってから、まだ一ヶ月。

さすがに、田舎者のあたしにはキツイ!
なんなの?この殺人的な息苦しさ。
乗り込むのも決死の覚悟なら、
降りる時は、助けてくださいーの叫び声の
ごとく必死。

身動き出来ない数十分が、こんなに辛いとは
思わなかった…。
あまりに疲労困憊して、仕事にならず。
朝早く出るようになってから、多少マシには
なったけど…。
未だに慣れずに、どこの車両がマシかを
さぐる日々を送っていたら。

今日乗った車両に、懐かしい顔を見つけた。

懐かしい…ってもんじゃないかも。
ほんとに、あいつだろうか。
もう何年前に別れたんだっけ。

まだ恋愛のレの字も知らない…
高校生だったから。

人の気持ちを、簡単に傷つけても
平気な顔してたっけ。

あいつ…。
相変わらず、つまんなそうな顔してる。



でも…相変わらず…カッコいい。

もう結婚しててもいい年だけど…
あいつはどうかな。

あの惚れっぽさが治ってたら…
ないな。うん。
あれは、無理。結婚には向いてない。

てか、恋愛にも向いてなかった。

誰にでも優しい。
と言えば聞こえはいいけど。

女の子は、みんな可愛い。
みんな好きって、笑ってたヤツだもん。