次の日。
いつも通りの時間6:00に起きて制服に着替えお母さんとご飯を食べて外に出ると家の門から少し離れた所に人影が見えて近付く。
「あ、あの・・・」
「う・・・も、桃園さん?」
「え!?さ、さ、魁先輩!?」
何故かそこには先輩が居て、その顔は真っ青で、いつも通りの笑顔を向けてくれるが、やはり具合が悪そうだ。
顔が真っ青・・・! 一体、何で・・・
「先輩、何してるんです!?」
「ごめん。どうしても、桃園さんと学校に行きたくて待ってたんだ」
「い、いつからでしょうか」
恐る恐る聞いてみると先輩は携帯を取り出し時間を確認すると平然と答えた。
「朝の4時くらいから、かな?」
「4時!?もうすぐ、7時になるから・・・3時間も待ったんですか!?真冬なのに、それも朝から待つなんてダメですよ!」
「桃園さんが心配してくれるなんて嬉しい。待っていて良かった。」
「良かったじゃありません!風邪を引いたらどうするんです!」
怒鳴るように言い放ってしまい、ごめんなさい、と謝ると魁先輩は嬉しそうに微笑みながら謝らないで良いと言って立ち上がった。
どうして、この人は自分の事なんて、どうでも良いと言うような行動をとるんだろう。
先輩はコートを着ているのに顔は真っ青で心配になり私は先輩の首に自分のマフラーを巻いた。
「も、桃園さん?これは・・・」
「自分の身体は大事にして下さい。」
「これでは、桃園さんが寒いでしょう?僕の事は気にしないでくれませんか?貴方が冷える方が僕は嫌なんです」
「先輩。今日だけは私の我侭を聞いてくれませんか?」
「そ、その言い方は・・・ズルイです」
魁先輩はそれ以上は何も言う事はせずに立ち上がって、私を抱き締めてくれた。
何故か自然と身体が暖かくなった。
そして、耳元で先輩は、ありがとうございます、と言った。
静かに目線を先輩に向けると見た事が無いくらい耳を真っ赤にしていたのは先輩には内緒だ。