《魁トオルside》

ああ・・・幸せだ。胸の奥が満たされていく。

こんな気持ちになったのは久しぶりで幸せ過ぎて死んでしまいそうだ。

「桃園さん、好きですよ」

そう言って優しくキスをすると顔を赤くして俯いてしまった、彼女が可愛くて抱き締めると、何処からか視線を感じた。

彼女を見ている、薄汚い視線を。

壁の死角に居るようでチラチラとコチラを見ている。

何なんだアイツは・・・邪魔だ・・・要らない・・・今は俺と彼女の時間なのに・・・どうして毎回・・・邪魔が入るんだ。

俺の物だって知らないのか?馬鹿だな。

彼女の後頭部に手を回して強引に口付けると変な男は去っていったようだ。

驚く彼女に、ごめんね、と言うとさらに顔を赤くしてしまった。

こんなに、可愛いから他の男に狙われるのに・・・可愛いは罪だな・・・・・・まぁ、俺が他の男を近寄らせなければ良いんだけどな。

そう。どんな手を使ってでも・・・。