ーーー昼休み

お腹が空いたなーと思っていると教室に魁先輩が入って来て、私は先程の約束を思い出した。

「桃園さん。一緒に弁当、食べませんか?」

「良いよ?喜んで」

「はぁ・・・好き。閉じ込めたいくらいに。」

また、最後の方を聞き逃してしまった・・・。

とりあえず、お弁当を食べる為に屋上に移動する事にした。

屋上に着くと先輩は私の隣りの地面に座り、誰かに作ってもらったのか、綺麗に包まれた風呂敷を開けた。

「先輩。それって誰かに作ってもらったんですか?彼女・・・とか。」

「・・・勘違いだったら恥ずかしいんですけど、もしかして妬いてくれてます?」

「え!?あっ・・・・・・少しだけ」

「もう我慢出来ない」

先輩はそう言ってお弁当箱を地面に置くと私の方を向いて私の肩を押して地面に押し付けてきた。

もしかして、怒らせた?どうしよう・・・せっかく仲良くなれたのに・・・

「桃園さん、俺は貴方が大好きです。貴方が気付いてくれるまで待ってようと思いましたが気が変わりました」

「大好き・・・って?」

「そのままの意味ですよ。友達とか後輩としてじゃなくて、異性として女性として好きなんです」

「っ・・・・・・?!」

「僕と、付き合って」

そう言って先輩の顔が近付いてきた。

強く目を瞑ると頬にチュッと音が響き目を開けると、先輩が困った様な表情で私を見下ろしていた。

もしかして、返事が欲しいのかな・・・。

私は先輩が好き・・・。

優しく微笑んでくれる顔も、私の為に頑張ってくれる事も、朝から私と学校に行く為に寒い中待ってくれていた事も・・・他にも色々とある?

「私は・・・先輩が好きです」

「本当に?夢じゃないのなら、凄く嬉しい」

自身が無さそうな先輩に、もう一度、好きです、と伝えると安心したように微笑んで私に顔を近付けた。

目を瞑ると、今度はちゃんと唇に柔らかい感触があり胸の奥が暖まった。

今まで私の為に尽くしてくれて、ありがとうございます。

私も先輩に尽くすので覚悟して下さいね?