晴れて入学してみれば、
本当にいい所だと思い直す。
「佳奈ちゃん!こっち、こっち!」
神食で、窓側の太陽の光で明るくなった席で手招く
黒いロングが似合う綺麗な子。
アジア言語学科、インドネシア語専攻の杉田 ナナ(すぎた なな)ちゃん。
「ごめんごめん、迷っちゃって」
「結局、最初のにしたんだ」
「ん。本当はね、ラーメンもいいかなって思ったんだけど」
ふたりして、チキン南蛮を食べながらお喋りをする。
「あ、そうだ。佳奈ちゃんてさ、森永っていう人知ってる?」
「もりなが?、、森永 勇(もりなが ゆう)? 」
「そうそう。その人がさぁ、佳奈ちゃんの事、酷く言ってきてさ」
森永くんは、私と同じ英米語学科の1年生。
同じクラスだから知ってるけど、直接仲良くした事はない。
「そう、なんだ。」
「なんか、されたら言ってね?私がやっつけてやるから!」
「ありがとう。」
ナナちゃんは、高3の神田外語大学での模擬授業の時に一緒で、仲良くなった子。
学科は違うけどこうやってたまに、一緒にご飯を食べる。
「よし!今日、買い物しに行かない?」
ナナちゃんはたまに、いきなり過ぎる所がある。
そこも、この子の魅力のひとつ。