「ただいま戻りましたー!」



「遠藤くーん!」



「こっち向いて~!」


俺はまるで、芸能人になった気分でいれる。


…そんな俺にでも落とせない女は一人いる。


(相変わらずだな…田中。)


田中は奥で書類を打つのに必死だ。


ビシッと髪をしばり、眼鏡をかけ、ボタン一つ開けずかっちり制服を着ている。


今時珍しい


まさに学校で言うとクラス委員長?みたいな感じ?


「遠藤君お帰りー!」


「部長、お疲れ様で~す。」



「…相変わらずだな遠藤君は。」


「それほどでも~」


…なんて馬鹿なキャラを演じる。


これがここで生き抜く為の正念場だ。