「いーよ、大丈夫。危ないから掴まってな」



悠斗がそう言って自分の制服を掴ませてくれる。



なんか、前にもこんなことあったような……。



「……あり、がと」



ただ前と違うのは、隣に姫花がいないこと。



思えば小さい頃から姫花と悠斗とあたしはいつも3人でいた。



だから、なんだかおかしな感じ……。



今こうやって悠斗とふたりでいるの。



「……あ、着いたね」



車内に駅名を告げる女性のアナウンスが響いて、ぷしゅーっと空気の抜ける音がしてドアが開く。