とりあえず、面会すらできないほど危険な状態じゃないことに安堵した。
「なにかあとで買っていこうか、姫花が好きそうなもの。憂が選んでくれよ、俺なんもわかんないからさ」
「もちろんよ」
そんなことを話しているうちに駅に着いて、ホームに滑りこんできた電車に乗りこんだ。
今日も満員。
立つことすら難しいくらい車内は混雑している。
「……っ、あ」
電車がカーブして他の乗客がバランスを崩したのにつられて、あたしもバランスを崩してしまう。
「ごめん!」
ドンッと目の前にいた悠斗にぶつかってしまって、思わず声が出る。
