「すいません、そいつ。俺のツレなんで」 不意に後ろから聞こえてきた声。 え……この声って。 「ゆ、悠斗……!」 「……憂、早く行くぞ」 あたしの肩を抱きながら、悠斗が小さく耳元で囁く。 「おい、待てよ……!」 男の人たちがそう言って追いかけようとしてくるのが見えたけど、悠斗が走って撒いてくれたおかげでなんとか逃げることができた。 「っ、はぁ……はぁ……あり、がと……」 危なかった……。