あたしは、この気持ちに蓋をしよう。 悠斗のことが好きだっていう気持ちを忘れる。 そして、姫花の恋を心から応援する。 それでいい……。 それが、誰も傷つかずに済む方法だよね? コツ、コツ……、と自分の靴が地面を踏む音がやけに大きく響いて聞こえる。 「……」 ……苦しいなぁ。 思わず乾いた笑いが漏れてしまう。 自分で自分のこと苦しめて、ばかだな……あたし。