「そうだよー！ こんなに美人さんで優しくて頭よくて大人っぽい子いないよ……ユウと難しい話もできるし」
いやいやいや！
「あたし美人でもないし優しくないし頭よくないし大人っぽくもないよ？」
姫花ってばなに言ってるの？
確かに悠斗とは難しい話をすることもあるけど、それだけだし……。
絶対に悠斗は姫花のこと好きになるよ。っていうか、もう好きかも……。
あたしなんか、出る幕ないもの。
「……そういう無自覚なとこ、ずるいよ」
「……？」
姫花がなにか呟いた気がしたけど、小さくて聞きとれなくて。あたしはどういう表情をしたらいいのかわからないまま、ただただ俯いていた。
