『う、憂……雨宮憂……』



『僕は風見悠斗……』



『憂ちゃんに悠斗くんね♪ あたしは姫花! 窓の外でふたりが玄関に立ってるの見えて来ちゃった!』



ここが姫花の部屋だよ、と通されたのは子ども部屋にしては広すぎる洋室で、中は天蓋つきのベッドにフリルのついた豪華なカーテン、無数のおもちゃでいっぱいだった。



お姫さまの部屋、って感じ……。



『姫花ね、あんまりお外に出たことなくて……パパがだめっていうの。だから、同い年のお友達ができるのすごく嬉しい!』



にこにこと笑って話してくれる姫花に、あたしはだんだんと緊張が溶けていくのを感じた。



『姫花ちゃんは、いつ学校に来れるの……?』



もっとこの子と話してみたい、そう思って気づいたら聞いていた。



『うーん……パパがいいって言ったらかなぁ……? でもね、最近すごく元気だからたぶんもうすぐ行けるよ! 学校!』