ひとりで行くのが不安だったあたしは、放課後に悠斗を誘った。両親が共働きで家に帰っても誰もいないということもあって、悠斗はすぐに「いいよ」と言ってくれた。
放課後。ノートを持って、大きな家の門の前に立つ。
少しドキドキしながらインターホンを押した。
……すると。
『わざわざありがとうね』
と、優しそうな家政婦さんが出てきて子ども心に緊張した。
だから、ノートを渡してすぐに帰るはずだった。
……けれど。
『ねえねえ! 名前なんていうの? 姫花とお友達になろう?』
不意に家政婦さんの後ろから現れた小さな女の子に、気づいたら目を奪われていた。
