「ああ。なんか片っ端から声かけて、今じゃほぼクラス全員と仲良いみたいだぞ」
「すごい……」
姫花のそういうコミュニケーション能力の高さは、一種の才能だと思う。
しかも、姫花は誰にも嫌われない上手な距離の保ち方ができる。
家が病院で、小さい頃からたくさんの大人と接してきた苦労の中で培ったものなんだろうけど。
「姫花と仲良くなれたのも、あの子の明るい性格のおかげよね……」
「あー、確かに。姫花から話しかけてくれなかったら俺らは姫花と友達にはなれてなかっただろうな……」
そう言われて、ふっと昔のことが浮かんできた。
あれは、まだあたしたちが小学生だった頃の話……。
姫花とあたしたちの、出会いの話。
