あたしも思わず小声で聞いた。 ……すると。 「……憂に、ちょっと相談したいことあって。今日の放課後さ、あたしの家に来てくれない?」 ——ユウには内緒で。 お願い……そう言われて、頷かざるを得なかった。 でも、あたしにはわかってしまった。 その話の内容が、なんとなく。 だって……さっき姫花が悠斗を見る目、まさに恋してる女の子のそれだったから。 少しだけ慣れた、駅までの道を歩く。 なぜだかそれが果てしないもののように感じられた。