「……っ!」 ぐらり、と姫花の体が傾いた。 危ない……! そう思ったのと同時に、悠斗の腕が姫花の体を支えていた。 「っ、と……大丈夫か? 貧血?」 「うー……ごめん、大丈夫……ちょっと立ちくらみみたいなのしただけだから、」 「大丈夫じゃないだろ、……ちょっと待ってろ」 憂、ちょっと姫花のこと頼む。そう言って悠斗がどこかへ駆けていった。 「姫花、大丈夫?」 あたしは姫花を座らせて、ゆっくり背中を撫でた。