はぁ……なんとなく教室に入るのが憂鬱だ。



昨日の古典の時間。みんながヒソヒソとあたしの話をしていたのが忘れられない。



それでも……と、意を決して扉を開ける。



……シン。



やっぱりだ。



それまで賑わっていた教室はあたしが入った瞬間、一瞬だけシンとした。



それでも、なにも気にしていない様子で自分の席に着く。



よかった、花瓶は置かれてないし死ねとか来るなとか落書きもされてない。まあ、今どきそんな古くさいいじめする人もいないか。



……どうしたらいいんだろう。